1875年(明治8年)のメートル条約締結後、一部の国を除きメートル法で世界が統一されましたが、それでもまだいくつかの単位系の混在が見られました。
そこで、1960年(昭和35年)の国際度量衡総会において、広く使用されていたMKS単位系による”一量一単位系”である
「国際単位系(SI)」の採用が決議されました。
これ以降、日本でも逐次SI単位を取り入れてきていますが、非SI単位の使用も多く見られます。これをSIに統一していくにあたり、個別の単位ごとに、それを使用する分野、業界への影響度合いを勘案しつつ、猶予期間を設けて移行しています。
ドクター・Nの会話に出てきた「SI基本単位」は次表の通りです。
例えば、長さの単位「m(メートル)」は、
「299792458分の1秒の間に光が真空中を進む距離」
などと定義されており、物理学上、何らかの手段を講じれば、正確な値を得ることができるかもしれませんが、質量の単位「kg(キログラム)」だけは、「国際キログラム原器の質量」と定義されており、要は、この「キログラム原器とどれだけ質量の差があるのか」が、質量における正確さを表します。
だからこそ、
はかりの校正に使用する「分銅・おもり」は、トレーサビリティがとれていることが重要なのです。
計量の単位に関する正しい認識を持ち、適切な計量管理を心がけてください。