デジタルロードセルの優位性紹介シリーズの最終回は、
「コストメリット」についてお話しします。
デジタルロードセルとアナログロードセルと比較した場合、
次の3点のコストメリットが挙げられます。
個々に説明していきます。
①安価・コンパクトな指示計、和算箱の導入が可能!
デジタルロードセルは、ロードセル自身において計量値の
A/D(アナログ/デジタル)変換を行います。
したがって、従来型のアナログロードセルのように指示計
側には増幅、A/D変換回路が必要ありません。また、マ
ルチロードセル接続の場合の偏置調整も指示計において実
施できるため、従来のように和算箱において出力調整する
必要がありません。
その結果、デジタルロードセル接続用の指示計と和算箱に
は安価・コンパクトなものを採用しています。
クボタKS-C200シリーズ指示計やDJ-1和算箱は、
従来品と比べて低価格・省スペースを実現しています。
もちろんデジタルロードセル用の指示計には高機能のもの
も取り揃えております。
②指示計1台で、最大8個のデジタルロードセルと接続可能!
デジタルロードセルの接続方式には、
・シングルモード
・マルチモード
・マルチサテライト(M/S)モード
の3通りがあります。
このうちマルチサテライト(M/S)モードで8台接続にすると、
8台のはかりを1台の指示計でコントロールできることになり、
指示計の数が減る分、コストダウンになります。
実際の使用例を下図に示します。
この例では、8台のボビン計重機を1台の指示計で管理して
おり、巻線の残重量を順次PCへ送っています。
PCでは残量が少なくなると警報を出す仕組みです。
従来、8台の指示計が必要でしたが、デジタルロードセルの
場合には
指示計1台で管理可能になりコストダウンを実現し
ました。
(なお、このようないわゆる多連式にしますと、1対1接続
の場合に比べて、PCとの通信速度が遅くなる場合がござ
います。)
③据付工事費、メンテナンス費用の圧縮が可能!
デジタルロードセルは、据付時や交換時の作業効率が高い
という特長があります。
実際の分銅を用いた校正を行わなくても、正しく据付けさ
れれば実用レベル(1/1000程度)の精度確保が可能です
ので、
据付工事費や修理費の節減につながります。
以上3点のコストメリットからも、デジタルロードセルは設置から
保守メンテナンスを通じて、トータルコストダウンの実現にお役立
ちできる製品です。
これまで3回にわたり取り上げましたデジタルロードセルの優位性
については今月号でひとまず終わりです。
お付き合いいただきありがとうございました。