作業する空間を有効に使い、ものづくりにおいて有効な期間(ファンクションタイム:FT)と、その逆に、付加価値のない時間(アイドルタイム:IT)に区分し、それらをいかに小さくしていくかが、
付加価値比率を極大化させる改善になります。
作業において、まず改善の方向性を決める際、次のような切り口になります。
(1)FT → 極小化
(2)IT → 極小化、あるいは排除。
(ITの中にも、付加価値はないが必要な動きがあり、これは、排除できず、
極小化を目指します。)
FT極小化に関しては、加工条件UP、材料の取代改善、締付作業改善などの手段があります。
IT極小化・排除に関しては、運搬距離の最短化、動作のムダ取り、5S、作業バラツキ改善などの手段があります。
写真の改善は、改善前にはドライバー、ハンマーなどの工具を手に取り、さらにポリ容器に入ったビスを取って、姿勢を変えながらビスをドライバーの先端に入れて組み付ける・・・という作業を行っていました。
ここに介在するムダを洗い出し、
①使用工具を指定席化
②ネジ自動供給機に配置
③電気ドライバーで取り出す
という作業に改善しています。
これにより、工具を取る時間(4秒)、8個のビス締付時間(16秒)、それぞれ併せると1台のはかりケース部組立について
”20秒”の工数低減ができました。
年間10000台生産すると仮定すると、200000秒・・・つまり
約8日分/年の時間短縮になるわけです。こういった時間の概念でご説明しますと、単なるコストダウンだけの目的でなく、作業者に快適で安全な職場環境を提供するための大切な要素だとお分かりいただけます。そして、このような働き甲斐のある職場環境を維持していくことが、お客様に安定した品質の製品をお届けするための基本要件の一つであると考えております。