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研究室

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クボタが取り組む7つの研究室 「クボデジ・オーソリティ」

トレーサビリティについて

トレーサビリティとは、「測定結果が、国際または国家基準のような適切な表現に対して切れ目のない比較の連鎖によって関連づけられるという性質」と定義されています。

世界の全ての質量計測の基準である国際キログラム原器は、直径・高さともに39mmの円柱状のもので、フランス・パリ郊外セーヴルの国際度量衡局に、二重の機密容器で真空中に保護された状態で保管されています。

日本には、1889年に複製されたうちの一つが配布され、茨城県つくば市の独立行政法人産業技術総合研究所に、国際キログラム原器と同様の容器内に保管されています。これが日本国内の質量基準となる”日本キログラム原器”です。

ここから指定校正機関(検定所等)を経て、認定事業者および私たち製造メーカーや一般ユーザーに基準器(分銅)が供給されます。

<トレーサビリティ体系図>
※計量法から抜粋。組織名については旧名称になっています。


●トレーサビリティ制度によって供給される分銅には、値付け(器差付け)を行うが、基準器検査制度
  においては、値付けを行わない。
●基準器を補完補助する器具(実用基準分銅)は、基準器と見なさない。
●特級基準分銅を所有している都道府県は、1級基準分銅の基準器検査を計量研で受けることはで
  きない。
●実用基準分銅の調整は、原則として所有者が行うこととする。
●実線矢印は、始点の分銅所有者(計量研または、都道府県)が基準器検査者。
  点線矢印は、始点または終点の分銅所有者が校正または調整行為者。



長さ、時間、温度、電流、光・・・など計量計測に関する標準はさまざまあるが、「質量」に関する標準だけは、物理現象から作り出されるのではなく、「キログラム原器」という現物であると定義されていますね。世界各国の研究者が、長さ等と同じように新しい質量標準を作り出す努力を続けています。原子数の集合体他であるシリコン球、電磁力を利用したワットバランスなど候補がいくつかあがっていますが、まだ実用の域には達していないようです。