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今月の特集

今月の特集

【新製品紹介】

樹脂充填防爆型デジタルロードセルのヒ・ミ・ツ

先月号のメルマガで★世界初★(当社調べ)となる樹脂充填
防爆構造のデジタルロードセルを搭載した防爆型台はかりの発売
についてご案内したのぅ。

今月は、その樹脂充填防爆型デジタルロードセルについて、少し
掘り下げてご紹介しよう!

やっぱり「世界初」というからには、いろんな苦労があったん
じゃないかしら? 聞きたいわー。

まず、おさらいじゃが、樹脂充填防爆構造の原理は、
「着火源となりうる部分を、絶縁性の樹脂(コンパウンド)の中に
封入した構造」により、着火源と周囲の爆発性雰囲気との接触を
防止することじゃ。

  
       樹脂充填防爆構造の原理

だからといって、樹脂で包み込めばイイってだけではないんだよ。
例えば、樹脂の表面に亀裂があれば、そこから爆発性ガス・蒸気が
侵入して着火源に接触するおそれがあるからダメなのさ。

うむ。亀裂だけではないぞよ。針の先でつついたようなピンホールや、
樹脂内部にVOID(ボイド)と呼ばれる気泡や間隙があっても、防爆
性能が担保できないのじゃ。そこを起点に亀裂が進行して外部の爆発性
雰囲気が侵入する可能性があるからじゃよ。

電気回路を、スキマなく絶縁性の樹脂で包み込むというのはなかなか
難しいものじゃぞ。まずは、そのあたりの取り組みについて聞かせて
もらおうかのぅ。

>クボタのロードセル技術者のMさん

はじめまして。ロードセル開発担当のMです。

はい。確かに樹脂をスキマなく充填するのは簡単ではありませんよ。
クボタでは製造工程において、次のようなポイントに留意しながら
充填品質のつくり込みを行っています。

① 絶縁性樹脂には、流動性がよい2液混合型のウレタン樹脂を採用。
② 流し込みやすい姿勢でロードセルを保持する専用の型枠治具を製作。
③ 隅々まで樹脂が行きわたり、気泡が発生しないよう真空状態を
 生成させて充填する工法の考案。
④ 周囲温度やロードセルの形状などの条件に合わせて、流し込み速度
 や効果時間を最適化するノウハウ。

  
      ウレタン樹脂を充填した状態のロードセル

製造工程以外では、何かチェックをしておるのじゃろか?

樹脂を充填済みの完成品の状態のロードセルを、事後にX線で全数検査
して、樹脂内部に気泡やピンホールが存在しないか?を厳しくチェック
しています。

へぇー、そこまで慎重にやってるんだ~。

そのほかに、樹脂充填防爆構造の特性上の注意点があったら
教えてほしいのじゃが・・・。

はい。この防爆構造は絶縁性樹脂による着火源と爆発性雰囲気との
隔離が肝心なのです。ですから、
・樹脂を劣化させる酸・アルカリ雰囲気中や、ロードセル本体の材質
であるアルミ合金を腐食するような環境では使用できません。
・また、樹脂を保護するステンレス製のカバープロテクタを採用して
います。樹脂表面にキズや打痕などがつかないよう保護するパーツ
です。これを取り外すと防爆性能が確保できませんので、ご注意
ください。

  
      ステンレス製のカバーを組み付けた状態のロードセル

了解じゃ。クボデジくん、まとめてくれるかのう。

従来からのクボタのデジタルロードセルの高精度計量計測技術に
新しい樹脂充填防爆技術が融合することによって、安全で高精度、
軽量コンパクトな計量器が誕生したということはマチガイないね。

新たな防爆型計量器の時代の幕開けだね。

ご興味をお持ちのお客様はなんなりとご相談ください!
お待ちしていまーす。