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研究室

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クボタが取り組む7つの研究室 「クボデジ・オーソリティ」

国産OS トロンの特長と重量指示計への採用について

 TRONの優れた点として、開発者である坂村健先生ご自身がつぎの5項目を
挙げています。

 1)リアルタイムパフォーマンスに優れている点
 2)メモリのフットプリントが小さいという点
 3)三つ目が省エネ機能が優れている点
 4)ツールを含めたワンストップサービスが整っているという点
 5)独自のオープンライセンスを採用しているという内容


 1)~3)の長所は、TRONが組み込まれている製品をみるとよく分かります。
iOSやAndroidが主流のスマホに対し、いわゆるガラケーのほとんどはTRONを
ベースとしたOSを搭載しているそうです。起動時間の短さや、バッテリの持ちなど
ガラケーがスマホを圧倒するのはTRONの即応性や省エネにあると言われます。
さらに、PCのブルースクリーンのように、フリーズしない安定性もTRONの長所
です。信頼性が要求される製品に多く採用されているTRON。TRONSHOWの
会場から組み込み製品を紹介します。


 JAXA はやぶさ2
 TOYOTA CROWN
 KONICA MINOLTA デジタルラジオグラフィー
 SAMSUNG スマートカメラ
 FUJITSU SEMICONDUTOR 360°VIEW SYSTEM
 RICOH カラーデジタルフルカラー複合機 など 


 MINICOM FAプロセスコントローラ
 PLUS コピーボード
 YAMAHA 会議システム
 Panasonic デジタルビデオカメラ
 SONY X VIDEO STATION
 SATO RFID サーマルプリンタ
 FUJITSU RFIDハンディーターミナル など


 そして、ショーケースのなかには実機サンプル
 RICOH プロジェクタ
 EPSON プリンタ
 NIKON デジカメ
 CASIO デジカメ

KUBOTA Digital Loadcell Indicator "KS-C880PR"


 人工衛星にも採用されているように、高い信頼性と安定性を誇るTRON。
重量指示計も、1秒間に何百回もデジタルロードセルと通信するリアルタイム性
と、決してフリーズしてはならない信頼性が要求されます。クボタのKS-C880は、
TRONをベースにしたT-Kernelを採用しています。


 TRONの長所の4)、5)に戻ります。オープンリソースであるTRONを使えば、
ハードも開発規模も小型で、多くの人々が自由に開発でき、様々なものに応用が
できます。1964年の東京五輪の際につくった新幹線や高速道路がその後の日本経済
の発展に貢献したように、2020年の次期五輪までにICT(情報通信技術)を一気に
普及させ、その後もさらに持続発展可能な事業モデルを構築したい。そのリソース
としてTRONはなくてはならないものだといえるでしょう。

 インテリジェント家電がコントロールする「スマートハウス」、温湿度やCO2
の監視や作柄を分析する「スマート農業」の普及は近い将来に迫っています。