クボタはかりネットへようこそ!!はかりしれないはかりの話。愉快な仲間がお届けします

研究室

研究室

クボタが取り組む7つの研究室 「クボデジ・オーソリティ」

「相当品」(後継器)による修理について

お客様からご質問が多く寄せられる項目ですので、今月は「相当品」(後継器)
による修理検定について取り上げます。

その前段として、「改造」と「修理」の解釈を明確にすることが必要です。
以下に整理します。

「改造」とは
既存の壊れていない計量器又は壊れている計量器について、それを元どおり
の構造に回復させるのではなく、新たな構造を付加し、又はその構造の一部を
除去すること。
→ 届出製造事業者のみが行なえる行為

「修理」とは
いったん完成された計量器が、その構造の一部を失った場合に、その失われた
構造を回復し元どおりに復元すること。→「原状回復」
→ 届出製造事業者・届出修理事業者が行なえる行為

以上を踏まえて「相当品」による修理について説明します。具体例として、
の図を参照してください。


上図は、アナログロードセル式のトラックスケール(旧型式=M級)の指示計
が故障した場合の対応です。本来、これを「修理」するためには元どおりの
状態に「原状回復」するのが目的であるので、型式承認を受けた同型式の
指示計に取り替えなければなりません。もし違う指示計に交換したら「改造」
になるからです。しかし、部品の製造中止などにより旧型式の指示計が入手
できない場合が想定されます。この場合の救済措置として「相当品」による
修理が認められているのです。

すなわち、上の例ではSP-500Cは旧型式の型式承認図面に記載されて
いる指示計とは違うものですが、その構造や機能等について元の旧型式の
指示計と同一性が保たれているとの認定を受けています。したがって、
旧型式の指示計に替えてSP-500Cを使ったM級の修理検定が可能です。

「相当品」(後継器)として国の認定を受けている型式は、産業技術総合研究所
の計量標準総合センターWEBサイトから一覧表がダウンロードできます。
http://www.nmij.jp/~legal-met/download/

なお、はかりのモジュール(構成要素)のうち、クボタではデジタルロードセル
とデジタルロードセル用指示計の「相当品」認定を多く受けています。アナログ
ロードセルでは認定を受けておりません。アナログロードセル用指示計では、
上の例のSP-500Cの認定を受けております。(2011年10月現在)

クボタでは「相当品」による修理はあくまでも救済措置と位置づけており、原則的
には新型式(III級)への改造・更新をご推奨いたします。「相当品」による修理検定
を受けた場合には、再度の「相当品」による修理が制限されます。例えば、指示計
の「相当品」による修理検定を受けた場合には、次にロードセルが故障しても
ロードセルの「相当品」による修理は認められません。したがって、「相当品」による
救済は一時的な延命措置であり、恒久的には、新型式(III級)への改造・更新が
望ましいと考えるためです。