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研究室

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クボタが取り組む7つの研究室 「クボデジ・オーソリティ」

《第3回》 大型はかりの対応。モジュール評価とは?

今回は大型はかりの新検則対応についてご説明します。

改正計量法(JIS B7611-2:2009)にもとづく型式承認には、「完成品評価」に
よる型式承認と「モジュール評価」による型式承認の2通りの方法があります。
そして、承認機関である(独)産業技術総合研究所の試験可能範囲がひょう量
が300kgまでの器物であることから、300kg以下の完成はかりの型式承認は
完成品評価の手法により、また大型はかり(本稿ではひょう量が300kgを
超えるものをいいます)の型式承認は、モジュール評価の手法によることに
なります。

完成品評価とモジュール評価



ではモジュールとは何か? 代表的なモジュールの定義を示します。

はかりの構成要素と代表的なモジュールの定義


クボタが製造するモジュールは上図のデジタルロードセルと指示計になります。
次に各モジュール評価の手順と、それに続く型式承認の手順を見ていきます。
このあたりの流れは、はかりを使用されるお客様には関係が薄い内容ですので、
読み飛ばしていただいて結構です。

指示計、及びロードセルの供給者(製造メーカー)は産業技術総合研究所等の
試験機関に器物を提出して試験を依頼します。試験機関において、個別に指示計
とロードセルの試験を行い、指示計は附属書C(JIS B7611-2:2009)の技術基準
に適合しているか?、ロードセルはOIML R60の技術基準に適合しているか?
についてそれぞれ検査されます。試験に合格すると指示計依頼試験報告書と
ロードセルOIML適合証明書が発行されます。型式承認申請者(製造事業者)
はこれらの書類を産業技術総合研究所に提出して型式承認を申請することに
なります。完成品はかりとして産業技術総合研究所での試験が不可能な大型
はかりについては、各モジュールの組み合わせによって各誤差配分の二乗和が
1を超えないことの評価を行い、型式承認を行います。

誤差配分の評価式


モジュール評価による型式承認の大きなメリットとして、型式承認申請者が
A社製のロードセル、B社製の指示計、自社の接続部など、異なる製造メーカー
のモジュールの組合せで申請できることがあげられます。

なお、型式承認を取得したうえで指定製造事業者が行う完成品検査における
検定公差は、完成はかりの場合と全く同じです。

クボタの大型はかりでは、平成22年9月からデジタルロードセルを搭載したトラック
スケールおよびKM-D台はかりの新検則対応品の出荷を開始しています。

今回で新検則シリーズ全3回の連載を終了いたします。なお、トラックスケールに
おいては新技術基準で偏置誤差試験方法や計量伝票の印字内容が変わりました。
次月はトラックスケールのコーナーでこの点をご説明します。