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クボタが取り組む7つの研究室 「クボデジ・オーソリティ」

《第1回》 新検定検査規則の経過措置期限(平成22年8月31日)と新検則の精度等級表記

さて、さきほどご説明した新検定検査規則の経過措置期限(平成22年8月31日)に
触れる前に、まずは新旧の検定検査規則について整理しましょう。 このコーナー
では新検則と旧検則を以下の定義で使用します。

新旧検則の定義


新旧検則で精度等級が異なります。精度等級以外の技術基準の相違点に
ついては、次号で取り上げます。
なお、本稿では上記の定義で旧検則、新検則の用語を使用しますが、より
厳格な用語は次の通りです。
 本稿でいう「旧検則」の技術基準 = 新技術基準
 本稿でいう「新検則」の技術基準 = 改正新技術基準

平成22年7月現在、特定計量器製造メーカーは新旧の技術基準に準拠して、
M級のはかりと3級のはかりなど、新旧混在して製造しているのが実情です。
しかし、旧検則準拠のH,M,O級の特定計量器を製造できる期限が上記の
とおり平成22年8月31日までと差し迫ってきています。

この点で、ユーザー様においてH,M,O級の特定計量器は平成22年9月1日
以降は使用できなくなるのでは?と誤解される向きも少なくないと思います。
しかし、ご心配には及びません。ご使用中のH,M,O級のはかりは、9月1日
以降も取引・証明に使えますし、故障した場合には修理もできます。
また、製造メーカーが8月31日までに製造したH,M,O級のはかりを9月1日
以降にお買い上げいただくこともできます。経過措置期限は、9月1日以降は
製造メーカーが新たにH,M,O級の特定計量器を製造できないというだけの
話なのです。

クボタが平成22年7月現在販売中の特定計量器は、クボエコシリーズ台はかり
(KL-100NXシリーズ、KL-100NX-IS-Dシリーズ)が新検則対応(3級)、その他の機種
は旧検則対応(M級、O級)です。9月以降、順次新検則対応製品に切り替えを
実施すべく準備中です。

さて、今月は新検則における精度等級とその記号についてご説明しましょう。

精度等級及びその記号 JIS B 7611-2 より抜粋


新検則では、従来のアルファベット表記から数字表記に変わりました。
ところで、新検則では記号表記(例:III級)が必要になるわけではなく、アラビア
数字表記(例:3級)でもまったく問題がありません。
実際にクボタが国に提出する型式承認申請書類には3級と記載しています。
また、記号表記の楕円枠は、任意の形の楕円、または2個の半円を二本の
水平線で結んだものが認められています。楕円の形状の厳格な規定はあり
ません。ただし、円は他の規格で使われているため、まん丸の枠は使用でき
ません。

最後になりましたが、新検則の精度等級の分類を以下に示します。

精度等級の分類 JIS B 7611-2 より抜粋


では、次号で新旧検則の技術基準の異同について解説いたしますので、またご覧
くださいね。