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クボタが取り組む7つの研究室 「クボデジ・オーソリティ」

クボタの質量標準管理マニュアルについて

 クボタの「質量標準管理マニュアル」について説明します。
 「質量標準管理マニュアル」とは、クボタのような指定製造時業者(*注)が
工場において行う検査に使用する質量標準(分銅)に関して適用する管理規則
です。当社では大阪府計量検定所の承認を得ています。
  (*注)指定製造事業者については、http://kubota-hakari.net/p.php/6/2/80/ のクイズ解答をご参照。

 当社の直系販売サービス会社の経営者が、「自社の生命線は『人』と『分銅』
である」と常々話をされますが、かように分銅は、はかりの製造・修理事業者に
とって重要なものであります。
 したがって、分銅は質量標準管理マニュアルに則って厳格に管理されているのです。

 それでは、マニュアルの内容についてご紹介します。 マニュアルの構成は、
1.標準供給体系図
2.質量標準管理規則
3.質量標準管理細則
4.質量標準管理組織図
5.管理台帳等
となっております。 ここでは「標準供給体系図」について見ていただきます。



 特定計量器の検査に使用する分銅は、国家標準に対してトレーサブルである
ことが要求されています。ですから、当社で維持管理する分銅は、国等が保有
する特定標準器等を「タネ」につくられています。 具体的には、今月号で取り
上げたトラックスケールの完成品検査に使用している5tの2級実用基準分銅は、
20kgの1級実用基準分銅25個からつくられており、その1級実用基準分銅は、
20kgの特級基準分銅からつくられています。さらに20kgの特級基準分銅は、
国等の特定標準器等からつくられているのです。少しややこしいですが、「タネ」
の基準分銅からひとつずつ下位の基準分銅を生み出していく訳です。この作業
を「トレース」すると表現することもあります。ちなみにクボタの工場には、特級
基準分銅は1個(20kg)だけしか存在しません。


     <<2級実用基準分銅の一例(鋳鉄製)>>

 基準分銅は、上の写真で分かると思いますが、1個1個に器物番号と校正した
年月を記して保管されています。保管する環境条件や保管場所についても厳格
にマニュアルで規定されています。そして、1年に2回の校正を実施して、
精度が維持されていくのです。

 最後に、基準分銅と実用基準分銅との違いについて触れておきましょう。
基準分銅は、国や都道府県等公的機関のみが器差が公差内にあることを証明
することができるのに対し、実用基準分銅は指定製造事業者等が、承認された
質量標準管理マニュアルにもとづいて、自らが所有する基準分銅からトレース
することができる点にあります。クボタの工場における検査には、専ら実用基準
分銅を使用しております。

今月は、はかり製造メーカーの魂とでもいうべき分銅の管理マニュアルについて
ご説明いたしました。いかがでしたでしょうか?